(出版社サイトより)
リー•アンダーツ
『母がゼロになるまで 介護ではなく手助けをした2年間のはなし』
風呂に入らないのも、ゴミ屋敷になるのも、お金を借りまくるのも、支援を拒否するのも、母なりの訳があったーー。"困っていた母" と "困らされた私" が格闘した、2年間の生の記録。
単行本 46変形 ● 224ページ
ISBN:978-4-309-20891-6
発売日:2023.09.22(予定)
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(以下バックパックブックスより)
ゼロからゼロへ。
人は生まれてから死ぬだけなのに、その間に様々なものを残す。
それは、誰かの記憶に残る思い出だったり、形として残る作品や資産だったりする。
著者の母親の場合は、それが多額の借金であり、医療費や住んでいたアパートの修繕費であり、あらゆる人からお金を借りようとして作った迷惑であり、ゴミ屋敷だった。そして加齢した彼女自身に残った、お風呂に入らない、着替えない、ゴミを捨てない、お金を借りてしまう、それを全て使ってしまう、といった癖だった。
これは著者が、そんな母親の最期の2年間に、介護ではなく「手助け」をした記録を綴った1冊です。
その間には、様々な職員の人との関わりがあり、街の人や親族や友人らとの協力や断絶があります。まさに四苦八苦、七転び八起き、それでも転がり続ける現実…。
自分の生活がある上で、母親に対してどんな方法でどの程度の支援をするのか。おそらくそこに正解なんてないのだろう。
自分自身と、家族と、友人と、パートナーと、誰しもその間に多かれ少なかれ大小様々な困難がある。そこにもやはり、その人やそのケースごとの「答えのようなもの」しかないのだろう。
時おり読者に喋りかけるような文体にもなる、この「困った母親」との2年間の記録には、知らぬうちに自己流に凝り固まった他者や自己との関わり方に別の扉を少しだけ開けて隙間風を吹かせてくれるようなはなしが詰まっている気がしました。
それぞれの「答えのようなもの」は、一体どこにあるなんなのか。この本を添えて語り合うのもいいかもしれないなぁと自然と思いました。ぜひ手に取ってみてください。
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